ライフサイエンス四方山話

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認知症リスクを減らすために

認知症は避けては通れない病

 日本を先頭に近い将来、長寿大国が続々と現れてくるでしょう。その際、大きな社会問題になっているが、認知症患者の増加です。年齢を重ねるにつれて、私たちの誰もが罹患するリスクのある病です。

 本日の記事は、認知症の前段階と考えられている軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment, MCI)の発症を抑えるための有効法についてです。

 そもそも、軽度認知障害とはざっくりと説明するこういう状態です。

  • 認知症まで重症でないが、軽度の物忘れや記憶障害などがあり正常ではない状態。
  • 回復する可能性も十分にあるが、将来、認知症に移行する可能性も高い状態。  

 

軽度認知障害リスクを減らす活動とは

このMCIの発症と生活習慣との相関を調べた論文が公表されました。

 アメリカの大手総合病院Mayo clinicで、70代後半の非認知症2000人に対して、彼らの生活習慣に関する大規模なアンケート調査を実施しました。その後、5年間の追跡調査を経て、532人がMCIを発症しました。

n.neurology.org

 アンケート結果から、MCIの発症リスクを軽減させる方法として

  • コンピューターを使用すること
  • 本を読むこと
  • TVゲームをすること
  • 社会活動をすること
  • 手工芸を嗜むこと

などが有効であることがわかりました。これらのうち、1つより2つ、2つより3つをこなす方がより効果的なようです。

 これらの項目に共通しているのは、脳に刺激を与える活動が良いということで、コンピューターを中年以降で利用することは、特にリスク低減につながるとのことです。TVゲームも有効というのは意外ですが、確かに頭使わないとできないです。筋肉も脳もトレーニングしないとどんどん衰えていきますね。