ライフサイエンス四方山話

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脳に電極を埋め込んでQOLは向上するのか?

人間 バージョン2.0

「念じるだけでIT機器を操作できたら」なんてたまに考えます。そんなことができる超人間が現実のものとなります。イーロン・マスク博士により設立されたベンチャー企業「Neuralink」では、人間の脳に電極デバイスを埋め込み、認知症のような脳疾患の改善や、デジタルデバイスの操作を可能としようとしています。

www.biorxiv.org

 

2020年からアメリカで臨床実験を開始する予定ですが、埋め込む電極デバイスは髪の毛程度の細さの電極で、人の手ではなく、専用ロボットを使った手術を想定しています。これまでにラットやサルでの実験では約80%の成功率でデバイスの埋め込みに成功していて、将来はレーシック並みのお手軽感でデバイス埋め込み手術が受けられるようにしたいとか。

 

AIの脅威に対抗するため

短期的な目標は脳疾患の改善を謳っています。長期的には、将来、急速に進化するAIに人間が対抗できなくなることを見越して、人間自身もバージョンアップする必要性があるとの認識から、AIの進化に対抗する手段と一つとして捉えられそうです。

例えば、念じるだけでスマホ、PCの操作が可能になったり、義手義足といった四肢の操作も可能になる。とかできることが色々ありそうです。

アメリカでの臨床試験が成功すれば、世界的にも流れは広まるような気がします。日本でも話題となって流行り始めるかもしれませんね。

将来、手術を受けるかどうかはその時の対応デバイス次第かと思います。QOLの向上にどれだけ貢献しそうか。いずれにしても今後の成り行きがとても気になります。