ライフサイエンス四方山話

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遺伝子検査キットが身近な存在になった

遺伝子解析をして、将来病気にかかるリスクなどを判定してくれる遺伝子解析キットが数年前から発売されています。といっても、病院が提供しているわけではなく民間の会社によるサービスとしてです。
 
もともとはアメリカの23andme1)という会社がパイオニアとしては有名ですが、近年になって中国、香港、あるいは日本でも同様の遺伝子解析サービスを提供する会社が存在感を増してきました。唾液を専用の容器入れて送るだけという手軽さで、利用者は徐々に増えているようです。検査項目は将来がんや生活習慣病などの特定の疾患に罹患する可能性や肥満などの体質を教えてくれます2)。
 
ちょっとググるだけでも色んな会社から検査キットが販売されていますが、決して安い値段ではありません。大体2−3万くらいが相場でしょうか。
 
アメリカ発の検査サービスということもあってか、アメリカ人は遺伝子検査を利用したことのある人が比較的多いようですが(1割弱くらい)、アジアに至っては今までは馴染みがなくこれから伸びてくるマーケットと考えられているようです。
 
これまで、なんとなくの感覚や経験則で自分の体調を理解していたところが、遺伝子情報という科学的根拠に裏づけられるとより自己管理がしやすくなりそうです。医療の世界でも「オーダーメイド医療」のような患者さん一人一人に適した治療を提供しようとする流れも強くなっています。日常の健康管理でも、一般論よりも、遺伝情報を基にした個別の各論の方が重視されるようになる日も近いかもしれません。